海外FXと仮想通貨の税金は損益通算が可能!税金対策と計算

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海外FXと仮想通貨の税金と損益通算について紹介していきます。

海外FXと仮想通貨は両方とも雑所得の総合課税となり、同じ税区分のため損益通算が可能になります。

ここでは税率や税金対策、経費や控除を増やす方法について紹介していきます。

↓【動画で解説】海外FXや仮想通貨は上手く損益通算などをすることで節税することも可能です。

 

鶏冠井悠二
著者
【この記事の著者】
CFP,1級FP,証券外務員一種,投資診断士
㈱ナゴウェブ 鶏冠井悠二

海外FX比較ナビの運営をする海外FX歴5年の現役トレーダー。多数の海外FX業者を実際に利用し、自身の経験を基に記事作成を行なう。トレーダーに役立つ様々なツールも開発。EAのバックテストは200以上の実績があり、数十のEAを稼働中。

海外FXと仮想通貨の税金は雑所得の総合課税

海外FXと仮想通貨は両方とも「雑所得の総合課税」となります。

雑所得は給与所得や事業所得など9種類の所得に当てはまらない所得は雑所得に分類され、海外FXや仮想通貨は雑所得に区分されます。

国内FXは「先物取引に係る雑所得」になり、海外FXとは違う雑所得になるので注意してください。

 

総合課税の雑所得内は損益通算が可能

損益通算とは?
1年内の利益から損失を差し引いて計算すること

雑所得は他の所得と損益通算はできませんが、総合課税の雑所得内での損益通算は認められています。

詳しくない人には少し難しいですが、雑所得の中でも「公的年金等の雑所得」や「先物取引に係る雑所得」との損益通算はできません。

総合課税の雑所得は海外FX、仮想通貨の他に転売や物販、アフィリエイトやブログ収入などが当てはまります。

この中でマイナスになっている収入があれば、プラスとマイナスを相殺した金額で確定申告をすることができます。

 

国内FXや商品先物は先物取引に係る雑所得のため損益通算不可

国内FXや商品先物などは「先物取引に係る雑所得」となり、海外FXや仮想通貨と損益通算ができません。

国内FXや国内業者でCFDなどをやっている人は海外FXなどとは損益通算ができないので気を付けましょう。

 

個人の場合は損失繰越もできない

損失繰越(繰越控除)とは?
その年の損失を翌年以降に繰り越し、翌年以降の利益から損失分を差し引くこと

個人の場合、海外FXや仮想通貨で翌年以降に損失を繰り越すことはできないので注意が必要です。

国内FXの場合は翌年から3年間の損失繰越が可能ですが、海外FXや仮想通貨は損失を繰り越すことはできません。

1年前に100万円の赤字となり、今年300万円の利益が出た場合で考えてみましょう。

国内FXの場合
今年の利益300万円 – 1年前の赤字100万円 = 200万円に対して税金がかかる
海外FXの場合
今年の利益300万円に対して税金がかかる、1年前の赤字の年は利益0円なので税金も0円

このように損失繰越が出来ないため海外FXや仮想通貨は不利になります。

 

海外FX・仮想通貨の税率と計算方法

海外FXと仮想通貨の税率と計算方法を紹介します。

所得税

所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超~330万円以下 10% 97,500円
330万円超~695万円以下 20% 427,500円
695万円超~900万円以下 23% 636,000円
900万円超~1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超~4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超~ 45% 4,796,000円

※別途、所得金額に対して復興特別所得税(2.1%)がかかります

所得税の計算式
    課税所得 × 金額ごとの所得税率 – 所得税の控除額 = 所得税

課税所得が400万円の場合はこのような計算式になります。

4,000,000円 × 20% – 427,500円 = 372,500円

サラリーマンの場合で、給与所得が500万円、海外FXでの課税所得が100万円の場合は以下のようになります。

(5,000,000円 + 1,000,000)× 20% – 427,500円 = 772,500円(給与所得も含めた合計)

サラリーマンの場合は、この77万2,500円から会社で納める所得税を引いた差額を納税することになります。

課税所得とは?
収入から経費と控除などを引いた金額で、税金がかかる前の金額

 

住民税

都道府県民税 均等割 所得割
1,500円 4%(政令指定都市2%)
市区町村民税 均等割 所得割
3,500円 6%(政令指定都市8%)
合計 5,000円 10%

参照:東京都主税局 個人住民税

住民税の計算式
    課税所得 × 10% + 5,000円 = 住民税

課税所得が400万円の場合はこのような計算式になります。

4,000,000円 × 10% – 5,000円 = 405,000円

住民税はお住まいの市町村で変わりますが、だいたいこの計算式となります。

住民税は所得金額に関係なく割合は一律になります。

※住民税は確定申告する必要がなく、確定申告後に市区町村で計算されて請求される仕組みです

税金計算については、計算ツールを作りましたので、そちらで参考にしてください。

> 海外FXの税金計算ツール(シミュレーション)

 

海外FXと仮想通貨の税金を減らす節税方法

海外FXや仮想通貨は雑所得のため控除が少なく、税金が高くなりがちです。

損益通算をしても利益がたくさん出てしまう場合は、経費や控除を増やして、課税所得を減らすように努力しましょう。

 

経費になるもの

雑所得で経費にできるもの

  • パソコンやスマホ購入費(海外FX・仮想通貨に使った割合で計算)
  • パソコン、スマホの通信費(使った割合で計算)
  • EA購入費やVPSの月額費用
  • FX・仮想通貨のための本や勉強会、セミナー費用
  • 勉強会、セミナーの交通費
  • 電気代(海外FXに使った割合で計算)
  • 家賃(取引に使った時間または面積の割合で計算)
  • まず経費になるものは、パソコンやスマホの購入費や通信費などがあります。

    基本的に個人の場合は、プライベートとの割合で計算します。

    (通常は10~20%ほどで申請します)

    自動売買EAやVPSの月額費用などは100%経費にすることができます。

    また、トレードの勉強の本やセミナーなども100%経費にすることが可能です。

    家賃や電気代もプライベートとの割合で10%~20%ほど経費にすることが可能です。

     

    所得控除・税額控除になるもの

    控除になるもの(抜粋)

  • ふるさと納税
  • 生命保険料控除・個人年金保険料控除
  • iDeCo(確定拠出年金)
  • NISA(少額投資非課税制度)
  • 小規模企業共済(個人事業主)
  • 経営セーフティ共済(個人事業主)
  • 参照①:所得金額から差し引かれる金額(所得控除) 国税庁

    続いて控除になるものですが、ふるさと納税は寄付金控除になり、実質的な出費が2,000円ほどで様々な返礼品を受け取ることができます。

    (所得金額によって限度額があるので気を付けてください)

    生命保険や個人年金保険はそれぞれ年間4万円の控除(介護保険料と合わせて12万円の控除)となります。

    iDecoは税金が引かれる前に投資が可能になるので非常にお得で、NISAは利益に対して税金がかからないのでお得です。

    小規模企業共済と経営セーフティ共済はサラリーマンは加入できませんが、個人事業主はぜひ入っておきましょう。

    経費と控除は以下のページで詳しく紹介しているので参考にしてください。

    > 海外FXの節税と税金対策 高い税金を抑える方法

     

    法人化することで経費の範囲が増える

    • 自動車購入費、ガソリン、車検代
    • 家賃、電気代、光熱費
    • 役員報酬、社員への給料
    • 生命保険料
    • 出張手当など

    海外FXや仮想通貨などの雑所得の場合は税金が高くなりがちですが、法人化をすることで経費の範囲が増えます。

    ご自身への役員報酬も経費にすることができ、もらう給料は給与所得控除によって、個人事業主よりも控除額が増えます。

    車や家は法人契約をすれば全額経費にすることができ、遠方に行く場合は出張手当を出すことができます。

     

    他の所得と損益通算が可能になる

    法人化することで、海外FXや仮想通貨は事業所得として扱われるようになり、他の事業との損益通算が可能になります。

    もし他に雑所得以外の収益がある場合は、法人化をすることでマイナス分を差し引くことができ、所得を減らすことができます。

    海外FXや仮想通貨での収入が年間1,000万円前後になると法人にした方がメリットがあるので、ぜひ検討してみると良いでしょう。

    > 海外FXの法人化は税金対策になる?法人口座おすすめ業者と開設方法

     

    まとめ:海外FXと仮想通貨を損益通算をして税金対策をしよう!

    海外FXと仮想通貨の税金と損益通算について紹介して来ました。

    海外FXと仮想通貨は同じ「総合課税の雑所得」となり、損益通算することが可能です。

    どちらかがマイナスになった場合は、もう片方のプラスを税務上減らすことができるので、ぜひ上手く利用して税金対策していきましょう。

    雑所得は経費にできるものが少なく税金が高くなりがちですが、経費や控除を上手く利用して節税するようにしてください。

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