海外FX 確定申告の必要書類と書き方

海外fx 確定申告 必要書類 書き方

「海外FXの確定申告に必要な書類を知りたい」

「確定申告の書き方や申請方法について教えて欲しい」

このような海外FXの確定申告の実際のやり方について知りたい人向けに、必要書類と書き方について紹介して行きます。

MT4を使っている人は、年間取引報告書をMT4から発行できるので簡単で、確定申告の申請は国税庁のホームページから行うと便利です。

国税庁のホームページからデータを残しておけば、翌年の確定申告も楽になります。

関連:海外FXの確定申告 利益の税率と申告

 

鶏冠井悠二
著者
【この記事の著者】
CFP,1級FP,証券外務員一種,投資診断士
㈱ナゴウェブ 鶏冠井悠二

海外FX比較ナビの運営をする海外FX歴5年の現役トレーダー。多数の海外FX業者を実際に利用し、自身の経験を基に記事作成を行なう。トレーダーに役立つ様々なツールも開発。EAのバックテストは200以上の実績があり、数十のEAを稼働中。

  1. 海外FXはいくらから確定申告が必要?
    1. サラリーマンは利益20万円を超えると申告が必要
    2. 個人事業主は48万円を超えると申告が必要
  2. 海外FX 確定申告の必要書類
    1. 海外FX 確定申告用の年間取引報告書をMT4からダウンロードする
    2. ①MT4 → ターミナルウィンドウ → 口座履歴
    3. ②ターミナルウィンドウ右クリック → 期間のカスタム設定
    4. ③期間を1月1日~12月31日設定
    5. ④ターミナルウィンドウ内で右クリック → レポートの保存
    6. ⑤印刷してデータを保存
    7. ⑥クローズトレードP/Lが確定損益
  3. 海外FX 確定申告の書き方・確定申告方法
    1. 海外FX 確定申告を国税庁のホームページで入力する
    2. ①国税庁のホームページ → 作成開始
    3. ②e-Taxがない場合は「印刷して書面で提出」を選択
    4. ③所得税をクリック
    5. ④次へ進む
    6. ⑤生年月日と申告内容に関する質問
    7. ⑥サラリーマン(会社員)の方は給与所得を入力する
    8. ⑦源泉徴収票に従って入力する
    9. ⑦-①給与所得の入力
    10. ⑦-②所得控除の入力
    11. ⑦-③税額控除の入力
    12. ⑦-④その他の控除と住所・氏名
    13. ⑦-④特定支出が無ければ次へ
    14. ⑦-⑤配偶者控除の入力
    15. ⑧雑所得のその他をクリック
    16. ⑨海外FXの収入金額と経費、住所と名称
    17. 海外FX業者の住所と名称
    18. ⑨業者ごとに所得を入力
    19. ⑩総合課税の所得
    20. ⑪分離課税の所得
    21. ⑫所得控除
    22. ⑬税額控除
    23. ⑭その他の項目
    24. ⑮所得税額が表示される
    25. ⑯住民税の入力
    26. ⑰振替依頼書を作成
    27. ⑰-②住所と金融機関を登録する
    28. ⑱マイナンバーを入力
    29. ⑲帳票表示・印刷をクリック
    30. ⑳会社にばれたくない人は「自分で納付」に丸を打つこと
    31. ㉑必要書類を貼り付けて税務署へ送る(持ち込みOK)
  4. 海外FXの確定申告でよくある質問
  5. 海外FX 確定申告の必要書類と書き方まとめ

海外FXはいくらから確定申告が必要?

確定申告が必要な金額はサラリーマンなどの給与所得者が年間利益20万円から、個人事業主や主婦などは年間利益48万円から申告が必要になります。

サラリーマンは利益20万円を超えると申告が必要

参照:国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人

サラリーマンなどの会社員は、海外FXの利益20万円から納税が必要になります。

売上ではなく「利益」となるため、経費分を引いて20万円に満たない場合は確定申告が不要となります。

 

個人事業主は48万円を超えると申告が必要

参照:国税庁 No.1199 基礎控除

主婦など給与所得者ではない個人事業主は利益48万円を超えた場合に確定申告が必要になります。

48万円は基礎控除の額となり、利益48万円までは基礎控除により税務上は利益がなかったものとなります。

 

海外FX 確定申告の必要書類

確定申告に必要な書類
・マイナンバーカード(または通知カード)
・源泉徴収票(給与所得者のみ)
・各種控除証明書(社会保険料控除・医療費控除・住宅ローン控除)
・経費の領収書 ※提出義務なし
・年間取引報告書(年間損益報告書)※提出義務なし

確定申告にはマイナンバーカードのほか、源泉徴収票(サラリーマン)や各種控除の証明書の提出が必要です。

会社で年末調整をしている場合は控除書類はすでに提出済だと思いますが、提出を忘れていたものや、会社に属していない人は控除等の提出も必要になります。

経費の領収書や年間取引報告書(MT4で出力できる)は提出義務はありませんが、7年間保存しておく必要があります。

万が一、税務署に入られた時に対応できるように、しっかりと保管しておきましょう。

 

海外FX 確定申告用の年間取引報告書をMT4からダウンロードする

まずは1年間の年間の損益を準備して行きます。

損益を1トレードずつ計算すると非常に大変なので、MT4の年間取引報告書をダウンロードしましょう。

①MT4 → ターミナルウィンドウ → 口座履歴

MT4を開いて、「ターミナルウィンドウ」から「口座履歴」をクリックしましょう。

 

②ターミナルウィンドウ右クリック → 期間のカスタム設定

ターミナルウィンドウ内で「右クリック」して「期間のカスタム設定」をクリックします。

 

③期間を1月1日~12月31日設定

期間を「1月1日~12月31日」で設定してOKをクリックしましょう。

 

④ターミナルウィンドウ内で右クリック → レポートの保存

ターミナルウィンドウ内で「右クリック」して「レポートの保存」をクリックします。

 

⑤印刷してデータを保存

年間取引報告書が発行されるので、印刷してデータで保存しましょう。

 

⑥クローズトレードP/Lが確定損益

1年のトレード損益はクローズドトレードP/L(Closed Trade P/L)で表示されています。

これが年間の「確定損益」となります。

これを元に確定申告に使います。

※ボーナスを使って損失が出るとClosed Trade P/Lがずれてしまう現象が発生することがあります。

損失額は自己資金の範囲までとなるので、手計算をし直すかMT4年間取引報告書をボーナス抜きで計算するツールなどを使って損益計算をしてください。

口座ごとにダウンロードする必要があるため、複数口座でトレードしている人や、複数業者でトレードしている人は1つずつ準備する必要があります。

 

海外FX 確定申告の書き方・確定申告方法

ここからは海外FXの確定申告の書き方、申告方法について紹介して行きます。

今回は国税庁のホームページから入力して行きます。

 

海外FX 確定申告を国税庁のホームページで入力する

国税庁のホームページから入力する方法は非常に分かりやすいです。

e-Taxがない人でも、印刷して郵送することが出来るので、非常に便利です。

また、過去のデータを残すことができるため、2年目以降は入力が簡単になります。

国税庁 確定申告書等作成コーナー

 

①国税庁のホームページ → 作成開始

国税庁のホームページから「作成開始」をクリックして始めましょう。

過去のデータを引き継いで使う時は「保存データを利用して作成」を選択しましょう。

 

②e-Taxがない場合は「印刷して書面で提出」を選択

e-Taxがない人は「印刷して書面で提出」をクリックしましょう。

 
e-Taxがある場合

e-Taxがある人は「e-Taxで提出する」を選択します。

e-Taxは「マイナンバーカード方式」での提出方法と「ID・パスワード方式」での提出方法の2種類があります。

ID・パスワード方式での提出は、事前に国税庁でe-Taxの登録が必要になります。

e-Taxで提出すると「印刷して郵送する必要がない」のがメリットです。

 

③所得税をクリック

確定申告は「所得税の納税」となるため、所得税をクリックします。

 

④次へ進む

 

⑤生年月日と申告内容に関する質問

申告内容に関する質問
・給与以外に申告する収入はありますか?:はい
・税務署から青色申告の承認を受けていますか?:青色申告の届出をしていない人は”いいえ”
・税務署から予定納税額の通知を受けていますか?:前年に予定納税を支払っている人は”はい”、それ以外は”いいえ”

生年月日を入力し、申告内容に関する質問に回答しましょう。

予定納税は所得税額が15万円以上の場合、翌年の分も3分の2を事前に支払う制度です。

収入が多い人だけ予定納税があるので、よく分からない人は予定納税が無かったと思われます。

 

⑥サラリーマン(会社員)の方は給与所得を入力する

サラリーマンやフリーター、パートなどの給与所得者は、「給与所得」をクリックして本業の収入を入力しましょう。

 

⑦源泉徴収票に従って入力する

源泉徴収票に書いてある通りに入力して行きましょう。

入力項目はかなり多いですが、間違えないようにしましょう。

 

⑦-①給与所得の入力

源泉徴収票を元に、支払金額、源泉徴収税額、控除対象配偶者の有無と額、扶養親族の数を入力しましょう。

 

⑦-②所得控除の入力

続いて所得控除の入力です。

社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除を入力しましょう。

 

⑦-③税額控除の入力

次は税額控除の入力です。

住宅ローンがある人は住宅借入金等特別控除の入力と、調整控除がある人は入力しましょう。

 

⑦-④その他の控除と住所・氏名

障害者、寡婦・ひとり親、勤労学生に該当する場合は控除を入力しましょう。

その他下は、住所と氏名を入力します。

 

⑦-④特定支出が無ければ次へ

これで給料に関する入力は完了です。

特定支出(給与所得者で特別な支出がある場合)は特定支出を入力します。

何もなければ「次へ」をクリックしましょう。

■ 特定支出とは
特定支出控除とは業務にかかる支払いが多い場合に控除できる制度で、給与所得控除の半分を超える支出がある場合が対象
国税庁 No.1415 給与所得者の特定支出控除

 

⑦-⑤配偶者控除の入力

配偶者控除を有にした人は、配偶者の情報を入力しましょう。

 

⑧雑所得のその他をクリック

雑(その他)所得の入力をしていきます。

 

⑨海外FXの収入金額と経費、住所と名称

種目
・その他
・海外FX

雑所得の入力は「その他」を選択し「海外FX」と入力します。

「業務に該当しますか?」は”いいえ”を選択しましょう。

「必要経費と源泉徴収税額」については、複数業者で利益がある場合は、利益の割合に応じた経費の額を入力しましょう。

 
業務には該当しない

海外FXは暗号資産と同じ扱いになるので、”いいえ”となります。

 

海外FX業者の住所と名称

業者名 会社名 住所
XM TRADEXFIN LIMITED Unit E,F28,1st Floor,Eden Plaza,Eden Island,Seychelles
FINTRADE LIMITED 7TH FLOOR, TOWER 1, NEXTERACOM, CYBERCITY, EBENE 72201
Exness Exness (SC) Ltd Office 107, 1st Floor, Waterside Property Ltd, Eden Island, Mahe, Seychelles
Axiory Axiory Global Limited No. 1 Corner of William Fonseca Street, Marine Parade, Belize City, Belize
TitanFX Titan FX Limited 1st Floor, Govant Building, Kumul Highway, Port Vila, Vanuatu
iFOREX Formula Investment House Ltd 15, Nikis st., Syntagma Square, 10557 Athens, Greece
HFM HF Markets (SV) Ltd Suite 305, Griffith Corporate Centre, P.O.Box 1510, Beachmont Kingstown, St. Vincent and the Grenadines
Tradeview Tradeview Ltd 103 S Church Street. Harbour Place, 4th floor, Cayman
ThreeTrader ThreeTrader Global Limited 1276, Govant Building, Kumul Highway,Port Vila, Republic of Vanuatu
TariTali TariTali Pte, Ltd. No. 1-3, Jalan Solaris 2, Solaris Mont Kiara, Kuala Lumpur, Malaysia, 50480

海外FX業者の名称と住所を記載しておきます。

住所は28文字しか入力できないので、右のほう(国名と都市の名前)くらいは入力しておきましょう。

 

⑨業者ごとに所得を入力

海外FXで得た雑所得は業者ごとに1件ずつ入力します。

内容を確認して次へ進みます。

 

⑩総合課税の所得

給与所得と雑所得の入力が表示されるので、その他の収入がなければ次に進みましょう。

 

⑪分離課税の所得

分離課税は国内FXや株式投資、不動産の売買などがあれば入力します。

国内FXは「特定口座で源泉徴収あり」を選択していれば、入力不要です。

「源泉徴収なし・一般口座」の場合は「先物取引に係る雑所得等」の箇所に入力しましょう。

 

⑫所得控除

所得控除で入力していない箇所があれば入力します。

ふるさと納税は、寄付金控除の箇所に入力します。

 

⑬税額控除

税額控除は住宅ローンくらいしかないと思いますが、災害による損失が出た人や、住宅の改修をして税額控除になる場合は入力しましょう。

 

⑭その他の項目

その他項目は、予定納税くらいですが、白色申告で専従者控除者がいる場合は入力しましょう。

 

⑮所得税額が表示される

所得税額が表示されるので、次に進みます。

 

⑯住民税の入力

住民税の入力となりますが、基本的に特に何もないので次に進みましょう。

 

⑰振替依頼書を作成

所得税の納付方法を選択します。

クレジットカードでの支払いも可能ですが、1万円あたり82円の手数料がかかるため、還元率1%以上のカードであれば多少のメリットはあります。

今回は銀行引き落としでの手続きをするので、「振替依頼書を作成する」をクリックします。

 

⑰-②住所と金融機関を登録する

振替依頼書は、住所が預貯金口座の住所と同じであれば、”はい”を選択するだけでOKです。

引落しの金融機関を登録しましょう。

 

⑱マイナンバーを入力

最後にマイナンバーを入力しましょう。

 

⑲帳票表示・印刷をクリック

「帳票表示・印刷」をクリックします。

基本的に全てチェックが入ったままでOKです。

そうすると、提出する確定申告書が出力されます。

これを印刷しましょう。

 

⑳会社にばれたくない人は「自分で納付」に丸を打つこと

海外FXのことを会社にばれたくない人は第二表の下にある「自分で納付」に丸を打つことを忘れないようにしましょう。

 

㉑必要書類を貼り付けて税務署へ送る(持ち込みOK)

最後に必要書類を貼り付けて、お近くの税務署へ郵送します。

税務署に直接持ち込んでもOKです。

3月15日までに忘れずに送るようにしましょう。

 

海外FXの確定申告でよくある質問

海外FXの確定申告に関するよくある質問です。ぜひ参考にしてください。

海外FX確定申告の必要書類とは?
マイナンバーカード(または通知カード)・源泉徴収票(給与所得者のみ)・各種控除証明書(社会保険料控除・医療費控除・住宅ローン控除)などが必要です。
海外FXは、確定申告しなかったらどうなりますか?
利益が出たにも関わらず、確定申告せずに税金を納付しなかった場合は、“重加算税”や“無申告加算税”など税金を余計に支払うことになる場合があります。
海外FXは、いくらから確定申告が必要ですか?
海外FXの年間の損益がマイナスの場合は確定申告の必要がなく、サラリーマンは年間利益20万円を超えると確定申告が必要になります。個人事業主は38万円から確定申告が必要です。
海外FXの確定申告はいつまで?
確定申告書の提出期限は、取引した翌年の2月中旬から3月中旬の1か月間です。
海外FX確定申告の書き方・やり方は?ネットでできますか?
海外FXの確定申告は、手書きまたは、インターネットで提出できます。e-taxを持っていれば、ネットで提出可能です。ネットで提出する方が簡単で時間を効率よく使えるのでおすすめです。

 

海外FX 確定申告の必要書類と書き方まとめ

海外FXの確定申告に必要な書類の出し方と、確定申告の書き方、申告方法について紹介して来ました。

国税庁のホームページから申告を行うとデータを残すことができるので、翌年から申請が簡単になります。

今回は白色申告の方法について紹介しましたが、青色申告は1回の取引ごとの入力が必要になり、非常に大変になります。

青色申告にする場合は、税理士にお願いした方が良いと思います。

白色申告はまだ比較的簡単なので、このページを参考にやってみてください。